DXを阻むもの

中小企業でDXを阻むもの

業務のDXは、確かにお金の部分が気になるところです。

初期費用(イニシャルコスト)、維持費用(ランニングコスト)・・・・
極端な話を言えば、お金をかければ、どんな事でも出来ます。

ただ、それに見合う効果があるのか?どうか?

DXにて、障害となるのは、むしろ社内です。

・社長・役員・上司                                           
・実務を行う現場従業員                                         

社長・役員・上司
携帯電話やメール・ネットが普及する前は、今では考えられない位の人海戦術でした。
FAXや訪問が活躍する時代。
「24時間戦えますか?」がはやる時代。

効率化より、とにかく手足を動かして、売上を伸ばそうという時代を通ってきた世代。                                         

いわゆる「レガシー世代」。                                           
60代以上に多い気がします。                                          

この世代の特徴としては、目に見えるものが全てであり、見えないものにはお金を払いたくない。                                            
    ・                                       
物理的なコスト削減のIT化は理解されやすいですが、「業務効率化」という間接的なコスト削減については                                           
非常にシビアに見られます。                                           

「売上が伸びるわけでもなく、費用だけかかる。」という考えが根底にあります。                                           
現在、従業員が時間をかけて会社が回っているのだから、それでいいじゃない。という感じ。                                          
また、保守料という考えも理解されにくい。                                            

確かに中小企業の場合、一理あるんですよね~。                                          
私も自分の会社だけでなく、相談される会社さんでも、                                           
従業員数、従業員の質、社内設備など見返して、コストと比較すると、やらなくてもいいんじゃない?って                                            
言う事も多いです。                                           

逆に背伸びして有料サービス導入したけど、使いきれなくて、止めたり、高額システム導入が意味なくなった                                           
ってケースも良く聞きます。                                           

目を見張る効果の出る「業務効率化」は、業務の全体を把握し、再構築する事から生まれます。                                         

例えば、    FAX受注をもっと効率化にしよう。                                       
    ↓                                       
    スペック高いFAX・ファイル保存サービス・高性能OCR・基幹システムへの連携                                      
    に費用を投入                                      
    ↓                                       
    楽になった!!                                     

    上記は、勿論いいのですが、そもそも、FAX受注でいいの?FAXを基盤に考えていいの?                                      
    と考えなきゃなりません。                                        

再構築しての「業務効率化」は、「運用検討」「社内調整」などなかなか考える時間と準備の時間が必要ですが                                          
部分的な「業務効率化」はそこまでかかりません。                                         

その代わり、効果は少ないです。                                         

少ないながらも、その積み上げで業務全体の「効率化」を目指す方が楽です!                                         

ちょっと余談にはなりましたが、私は、基本的には、以下の部分を説くよう言っています。                                           

レガシー世代とは違う現在の外部環境                                           

・人材不足                                           
・従業員への福利厚生の強化                                           
・ネット環境                                          

人不足と呼ばれる状況にも関わらず、以前と比べて、産休や有休の義務化など従業員に対する福利厚生に対し                                           
政府が口を出してくる時代。かつ、ネットで簡単に情報検索でき、知識が得られる時代。                                            

    「ぎりぎり丁度で業務を回し、バックアップが薄い体制」                                      
    ↓                                       
    「ある程度余裕をもって、バックアップが出来る体制」                                       

    会社としては、人不足の中ですが、変わらざるを得ないです。                                        

その為にもデータ化、IT化により、時間の余裕を作り、特定の従業員に依存しない体制を作る必要があると考えます。                                          
また、そうしないと人不足、人材流動化の中、常に会社が落ち着かない状況となります。                                            

レガシー世代への説得は、短期的な効果でなく、IT化で、社内体制を変えていく事が、                                            
長期的には会社にとって人材面や業務運用面などにおいて、必要な事だとお話しした方が刺さります。                                          
また、後継者問題がある場合は、「後継者の為にも・・・」ってのが、キラーワードかもしれません。                                          

「楽になる」という文言は、レガシー世代には、逆効果の場合もありますので、ご注意!                                            

実務を行う現場従業員
関わる現場従業員への社内調整も非常に難しい点です。

基本的には、人間は、「今を変えたくない」んです。                                            
今、不満なく業務を回している従業員にとっては、「今でいい」ってなりがちです。                                          

・導入から慣れるまで、余計に時間がかかるケースもあります。                                           

・一部をIT化する事で、他部門や他の従業員の仕事が増えるケースもあります。                                           

・細かい部分での不平不満を受け止める必要があります。                                          

・コスト削減は、従業員には、還元があるわけでもないので、そこまで響きません。                                          

現場の力が強いとなかなか導入まで大変なケースが多いです。                                            

やはりこちらも、今後の長期的な視点に立った会社としての展望をお話して                                          
納得頂くほかありません。                                            

また、導入後の経過は、じっくり見ていく必要があります。                                         
・社歴が長い方ほどIT化についていけず、社内序列が変わるケースがあります。                                           
・内容によっては、仕事が激減している人が出てくるケースがあります。                                           

私の経験上、そのフォローとっても大事です。                                           

うちの会社でも、IT化により退職した社歴長い従業員もいました。                                         

従業員も人間なので、                                          
DXを推進するにあたり、こういった現実も受け入れる必要があります。                                           

まとめ
DXの社内障壁の正体は、ゴールが見えない事です。

短期的なコスト削減などではなく、会社としてどのような社内体制にしたいか?すべきか?                                           
長期的な展望に立って説けば、理解されやすい。                                          

現在の外部環境を踏まえると、DX推進する事は間違いではない。                                          

勿論、コストと効果との対比で、変えない方がいいケースもある。                                          
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この記事を書いた人

なるべくお金をかけずに分相応のIT化、DXを心がけてきました。何かのお役に立てばと思いブログ立ち上げました。
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