前払いの場合の「請求書」は「インボイス」なのか?

社内規定などにより締取引が出来ない取引先において、BtoBの世界でも「銀行振込(前払)」という取引条件はよく有る事だと思います。
前払いして頂く際に、「請求書」という形で売り手側は発行します。
ただ、果たして、この際の「請求書」は「インボイス」なのでしょうか?

先払いする場合に請求書もらったんだけど、これを「インボイス」として考えていいの??

正確には「インボイス」ではないよ!

*現在会計でも悪さしているわけじゃなきゃ大丈夫ですし、先々納品された事が分かれば、うやむやで大丈夫そうではあるのですが、税理士さんもはっきりとした答えはありません。。。
なぜなら、はっきり言うと顧問企業に費用負担をさせてしまいますし、制度自体が変更される可能性もあり、要は責任とりたくないんです。現実界では、明確な回答はおそらく返ってこないと思います。

目次

インボイスとは

仕入先に支払った消費税を売上先から頂戴した消費税から差し引いて納税する事ができる制度。
所謂「仕入税額控除」を行うための書類です。
今までは、仕入先への支払額には、消費税が含まれている。という認識で会計処理していたものが、
「インボイス制度」以降は、仕入先がインボイスを発行しないと、「消費税が含まれている」という認識が出来ない。

今までの仕訳

借方貸方
仕入     1000円
仮払消費税  100円
現金    1100円

インボイスが無い場合の仕訳

借方貸方
仕入     1100円現金    1100円

仕入額が上がります。ー>利益が減少します。
なので、みんな事業者登録してくださいって事で、大混乱が起きました。

インボイスの要件

  • 事業者番号が入っている事。
  • 取引の明細(商品名など)が分かる事。
  • 税率毎、取引種別(*)ごとに対象額・消費税額を明記。
  • 消費税の計算は、1請求書において、1回。

基本的には、締め取引の取引条件の場合は、請求書に上記の要件が詰め込まれていますので、
請求書=インボイスという認識があります。
ただ、納品書1枚1枚を「インボイス」として、発行している会社様もあります。
その場合は、受け取った側は、全ての納品書をインボイスとして保管する必要があります。

では、銀行振込(前払)の請求書は、インボイスなのでしょうか?
確かに上記の要件は満たしているように見えますが、そもそもの根本が違います。

勘定仕訳で見る違い

銀行振込(前払)で仕入を行う会社の仕訳を見てみましょう。

注文・請求書受取時点では、何も仕訳はおきません。

振込した時
借方貸方
前払金     1100円現金    1100円
商品が入荷した時
借方貸方
仕入高     1000円
仮払消費税   100円
前払金    1100円

お分かりでしょうか?
消費税の認識は、あくまで荷物到着時なのです!
要件の”取引の明細が分かる事”には、取引日付も要件となっています。
その取引日付とは、荷物到着時の仕訳を行う日となります。
そうなると、前払いの場合の請求書には、勿論”取引日付”は無い事になります。

到着予定日なども、入荷待ちの状態や分納前提となると確定すら出来ません。
また、荷物到着日は、振込から数か月という事もあります。

請求書とは何を請求しているのか?

締め取引の場合の請求書・・・売掛金の請求書です。
前払い の場合の請求書・・・前払金の請求書です。

請求しているものが違う!!

結局どうなの?

前払いの場合、請求書がインボイスじゃないってのは、理解できたけど、
じゃ、結局どうしたらいいの?

商品入荷日または取引日が入っていて、明細もわかって、消費税が記載されているやつ。
そう、「納品書」です。
 (明細の入った領収書)

但し、殆どの企業が”請求書”=”インボイス”という認識で自社システムの”請求書”の変更は行っていますが、”納品書”のインボイス化は、行っていない企業が多い!
実はわが社もそうでした。
そんな中丁度いいタイミングでマルゴートの”都度請求”機能ができたので、助かりました。
マルゴートの納品書は、インボイス化されています。

モザイクだらけになっちゃいますが・・・

ということで、マルゴートで”銀行振込(前払)”の取引先の請求~受発注を行う事で自然とインボイスを
先方に送ることができるので、楽々でした!

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この記事を書いた人

なるべくお金をかけずに分相応のIT化、DXを心がけてきました。何かのお役に立てばと思いブログ立ち上げました。
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